
つながるシゴト編集部きってのエージェント 岡野たかしげ が、障がい者雇用の「今」に突撃レポート

岡野 たかしげ
1978年 左京区生まれ
これまで行政とのインバウンド誘致や京都迎賓館の運営など、京都の観光や文化振興事業に携わる。
国会議員秘書などを経験したのち、2023年から障がい者就労支援に取り組んでいる。
障がい者雇用を成長のチャンスと捉えた企業の挑戦 【前編】
今回お邪魔した株式会社ワン・ワールドは、京都市が設置管理する市立浴場を運営される民間事業者です。障がい者就労支援事業所とのご縁で場面緘黙の二十代前半Mさんと出会いました。同社代表取締役の山口勝広さん、現場でMさんを指導する上司・先輩の錦𦀗さん、勝本さんに、Mさんの採用から現在に至るまでのお話を伺いました。
働きやすい職場環境を作るのが経営者の使命
「Mさんを採用して一年弱ですが、今では職場の雰囲気に馴染み、基本業務となる清掃作業もしっかりこなしてくれています」。と、明るく話してくださったのは代表取締役の山口さんです。山口さんは続けます。

「しかし最初の勤務地の浴場では彼の能力を活かしきれず、そのことも影響してか現場スタッフの間でいざこざが起こりました。各スタッフにはMさんに寄り添う意識があり頑張ってくれましたが、いざ実践となるとコミュニケーションなど課題が多く、障がい者雇用の難しさを感じました。弊社が運営するもう一つの浴場では、PCを使った事務処理や利用者向け広報物の制作業務がありました。そもそもMさんは就労移行支援事業所でIT訓練の実績があると聞いていたので清掃作業と並行して彼の能力を活かすべく広報物を制作してもらったところ、とても熱心に取り組まれました。この事がきっかけとなり自信を付けられ、それまで難しかった口頭でのコミュニケーションが徐々に増え、仕事全体に前向きになられました。現場の上司や先輩は優しく接してくれてますが、経営者としては障がい者だからと言って特別視せず、できた仕事で評価すべきと考えています。この点で、いかにして誰もが働きやすい職場環境を作るかが問われていると思いました」。

京都市伏見区の京都市立辰巳浴場
今回のインタビューでは、働きやすい職場環境を作ることの難しさや大切さについて経営者のお話をお伝えしました。後編では現場スタッフの視点でMさんとどのように仕事に取り組まれているのかMさんへの想いも含めてご紹介する予定です。
今後の記事が、障害者雇用の可能性を広げる一例として、多くの方にとって参考となれば幸いです。

左から、岡野、職員の勝本さん、錦𦀗さん、代表取締役の山口さん
