みんなのつらい諸症状にくすっとクスリ―シャベピタン

あったらいいな こんな楽しいお薬

 「ああ、また今日もしゃべり過ぎてしまったなぁ……。」
皆さんにも、そんな経験はありませんか?そんな時に効く“薬”があれば。
そんな依頼をきっかけに、B型事業所の利用者さんたちが生み出したのが、こちらの作品です。とある薬をモチーフにしたパロディ商品ですが、注目してほしいのは、「ストレス緩和剤」「承認欲求緩和剤」「聞く力」という、3つのユニークな“有効成分”。
 人は誰しも、自分を認めてほしいという気持ちを抱えて生きています。だからこそ、つい話し過ぎてしまう事もあるのかもしれませんね。
 制作過程では、「しゃべり過ぎてしまう自分」と向き合い、それを認め、ユーモアと愛を持って状況をより良くするための議論が、何度も繰り返されました。

 パロディと聞いて皆さんはどんなイメージを持たれるだろうか。既存のものをもじって風刺したりするパロディを介した思わぬ効用をご紹介しよう。
 私は、小さい頃から人と喋る事の難しさを抱えてきた事もあり、喋りすぎて止められない時には「シャベピタン」、思った事がなかなか話せないときには「シャベリーナ」なんていうお薬があったらいいなと思って生きてきた。
 そこでB型事業所の皆さんにこの話をお伝えしたところ有志のメンバーでプロジェクトが立ち上がり、パッケージや、コピー、取扱説明書の文章などのパロディ化を進める事になった。すると思わぬ事が起こった。
 各々の人生での経験や体験、抱えている困難、日頃思っている事(そこには今まで言えなかった事も含まれていたかもしれない)がパロディとして「外在化」された。悲劇性から喜劇性への転態とも観る事ができる。加えて作品として外へオープンに示されたのだ。
 これは北海道べてるの家で知られている当事者研究で、専門家が外から付けそうな病名をもじって当事者さんが主体となって自己病名を付ける実践と似ている。つまりパロディを介して自己が投影され作品という形で皆と(更には誰とでも)眺め楽しむ事ができる。
 このパロディを介した「人」どうしの気遣いは笑いを伴った自己開示ともいえよう。パロディの持つ思わぬ効用である。

小畑あきら

1960年生まれ京都出身。
対話之町京都ヲ目指ス上京を主宰。対話実践をする場としてのベンチ活動「置きベン」を展開する。

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