わたしの大学の障がい者相談まどぐち―京都産業大学

京都産業大学の障がい学生支援

障がい者の就労支援は京都のさまざまな大学でも取り組まれています。今回、京都産業大学の学生である、山田武蔵と茂筑真羽の二人が自分の大学内の障がい者支援について取材しました。

京都産業大学
京都産業大学(きょうとさんぎょうだいがく)は、1965年に創立された京都市北区にある私立の総合大学です。
「将来の社会を担って立つ人材の育成」を建学の精神とし、幅広い知識と教養、高い人格、そして国際性を備えた人材の育成を目指しています。

大学生レポーター
京都産業大学 外国語学部 3回生
茂筑 真羽さん/山田 武蔵さん

障がい学生への支援のバランスと葛藤

12号館1階にある障害学生教育支援センター

 障害学生教育支援センターでは、授業での合理的配慮に関する調整を行っています。
 「人に障がいがあるのではなく、みんなが平等に過ごせない社会に障がいがある。誰もが障壁を感じない社会になればいい」と語ってくださったのは、センターの脇坂さんと井上さんです。

障害学生教育支援センター
脇坂紗帆さん(専門員)/井上友裕さん(事務職員)

 脇坂さんは、支援を考える上で「公平」と「平等」の違いに悩むことがある。たとえば、障がいを理由に対面授業が難しい学生にはオンライン受講が認められる場合がありますが、それは本当に「平等」なのか。一人の支援を形にするたびに、その裏側で見落としてしまうことがないかを考えているそうです。井上さんは、特定の障がいでくくるのではなく、本人と話し合いながら一緒に授業に参加しやすい方法を見つけていく。「支援はマニュアル通りにはいかない」と話していました。お二方のそれぞれの学生たちの気持ちを汲み取りながらも、より良い支援を実現できるよう日々支援の在り方を考え続けるその姿勢が、とても印象的でした。

障がい学生とともに歩む、ひたむきな取り組み

13号館4階にある進路・就職支援センター

 進路・就職支援センターには約40名のスタッフが在籍し、学生の進路を多方面から支えています。障がいのある学生も、求人紹介や面接練習などのサポートを受けることができますが、特に特徴的だと感じたのが「自己障害紹介書」の作成です。自分の特性や得意なこと、働くうえで必要な配慮を整理して伝えるもので、企業が環境を整える際の参考にもなるそうです。
 また、学生からの相談で多く寄せられるのは、面接に関する不安です。面接が苦手な学生には、練習回数を多く設けたり、入退室の動作を一緒に確認したりと、少しずつ自信を積み上げていく支援を行なっています。適切な環境があれば、障がい学生は持ち前の強さを発揮し、活躍できる可能性を秘めています。企業がインターンや採用の段階から学生と情報を共有し、相互理解を深めていくことが、双方にとって実りある就職につながります。
 担当者の方は、「障がい学生の多くは、困難を乗り越えてきた経験がある。だからこそ誠実で、粘り強い」と話していました。その言葉には、現場で学生と向き合う日々の実感がこもっていました。

 取材を終えて、私たちはあらためて「支援」の意味を考えました。
 ヤマダは「支援とは何かを与えることではなく、本人の成長も考えながら一緒に課題を整理していくことだと感じました」と。
 モタイは「学生一人ひとりに丁寧に向き合う体制が整っていることを知り、想像していた以上に前向きな力を感じました」と振り返りました。
 支援の現場には、様々な工夫がありました。それは、一つひとつの試行錯誤の積み重ねで成り立っており、その姿勢が、誰もが安心できる大学づくりにつながっていると感じました。

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