みんなのつらい諸症状にくすっとクスリ―ななめちゃん

あったらいいな こんな楽しいお薬

 B型事業所の利用者さんたちが生み出したお薬第二弾は、「縦横化した考え方や関係性を斜めに傾ける」お薬。生きていると、どうしても縦の視点や横の視点にがんじがらめになってしまいます。私たちはいろんなことを押し付けられながら暮らしているのかもしれません。時には心を斜めに傾けて、「こうでなければならない」という呪縛から解き放たれることも必要ではないでしょうか。そんなことを世に問いかけるお薬です。
 一度~八九度まで、全三種あるという角度のバリエーションも魅力です。日々のコンディションに合わせた傾きを選んで欲しい。なんならもう、弱っている時なんかは一八〇度で横たわっていただきたい。
 パロディから生まれたこの商品パッケージには、現代人に必要な「斜めになることの重要性」が詰まっています。

 今夏、精神病理学者の松本卓也さんは「斜め論」(筑摩書房刊)を出版されました。詳しい内容は著書に譲るとして、この本で著されている「空間の病理学」は現代のありようを見直すことができる論考です。そしてこの空間論のことをB型事業所の利用者さんにお話をしていたところ、その話からカタチとなったのが「ななめちゃん」という架空の商品パッケージです。
 注目したいのは斜め角度が三〇度から四五度となっている所です。斜め三〇度というのをいろいろな方に描いて貰ったところ、多くの方が水平から垂直へ三〇度起きている絵を描かれました。つまり横たわって起きられない状態から三〇度ぐらい起き上がってみようともとれます。
 人間は二足歩行をしていますが、もともとは不自然で頑張っているのかもしれません。休むことも大切でそのときは横になると思います。そして「ななめちゃん」は起き上がり立ち上がることを押しつけてない感じです。
 もう一つは元の商品パッケージから継承された表現ですが「繰り返し使える」とあります。これは「一度限り決定的」な経験がトラウマになったり、今日から酒はやめます!と垂直的に上りつめるのではなく「そのたびごとに」と、今日一日を「斜め的」に生きてみる。一日一日そのたびごとの積み重ねを示唆しているようにも受けとれます。
 描かれた方に内在していたものが表現されたのかもしれません。

小畑あきら

1960年生まれ京都出身。
対話之町京都ヲ目指ス上京を主宰。対話実践をする場としてのベンチ活動「置きベン」を展開する。

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